CPUクーラーを締めると電源が入らない。1週間ハマって、置き方で直った

題名のとおりです。CPUクーラーを締めると電源が入らなくなり、1週間ほど固定できないまま使っていました。最後はCPUをソケットに置く順番を変えたら、締めたまま起動するようになった。

3090 を買ったときに「組んだら起動しない、原因は CPU の置き方でした w」となった件の、壮絶な記録です。

スッポン抜け

前提として、私は10月5日に古いXeonからRyzen 7 2700Xへ載せ替えています。基板はGIGABYTEのX470、メモリはDDR4の64GB。電源は10年くらい使っているCorsair RM850の850Wです。

最初のクーラーはAMD純正のWraith Prismで、片側にレバーが付いているものを使っていました。今回の始まりは、10月12日にこれを外したときです。

クーラーを持ち上げたら、CPUもくっついたまま一緒に抜けました。いわゆるスッポン抜けで、そのときにCPUのピンを曲げています。今思えば、このあとからずっとハマっていた。

直した場所は、CPUのロゴを正しい向きにして右下の角。真ん中らへんも少し曲がっていて、ほかにも色々直しています。曲がったところを直して、CPUを載せ直し、クーラーを付ける。これで戻るつもりでした。

ところが、クーラーを固定したら電源が入らない。ピンを曲げた直後なので、直し切れていないところがあるのかと思うのですが、固定せずに置いた状態なら電源が入るんですよね。

締めると入らない

厄介だったのは、締め具合を戻せば起動する、という症状でもなかったことです。

CPUを載せて、一度もクーラーを締めなければ電源は入ります。ところが一度でも締めると、そのあとクーラーを外しても電源が入らない。CPUをソケットから載せ直すと、また入るようになる。

締めた瞬間から、CPUを載せ直すまで戻らない。これが何度も出ていました。クーラーを外してもだめなので、単に強く締めすぎたのだとしても、どうして外したあとまで続くのかが分からない。

入らないときは、ファンすら回りません。基板のLEDは電源ケーブルを挿した瞬間だけ点きますが、そのまま起動することはない。画面が出ないだけならまだしも、回り始めるところまで行かない状態でした。

対角に締める方法も、バックプレートやスペーサーも、メモリを1枚にすることも、CPUの載せ直しも試しています。それでも、締めると同じ症状に戻る。載せ直せばその場では電源が入るので、これでいけたかと思って固定すると、また入らない。

コンセントを抜いて待ってみても変わりませんでした。待った長さより、CPUに触ったかどうかで結果が変わる。電源も古いので気にはなりますが、その古さだけでは、この載せ直すと戻る挙動がどうにも腑に落ちない。

クーラーを付けて使いたいだけなんやけどな...。固定すると使えないのが、なかなか面倒でした。

固定できない

10月16日ごろは、しかたなくクーラーを固定しないまま動かしていました。電源が入る状態ではあるものの、これをそのまま寝ている間も回すのは怖いので、CPUの温度を見張るようにしています。

5秒ごとに温度を見て、70℃で通知、90℃まで上がったら電源を落とす形です。寝ている間に温度が上がっても、自分で見に行けるとは限らないので、通知より先の動作も付けました。

クーラーをちゃんと付ければ済むはずが、そのクーラーを付けると起動しない。使うために温度の見張りまで用意しているのは、だいぶ遠回りです。もちろん固定していない問題は残ったままで、見張りを付けたから直ったわけでもありません。

載せ直せば動くことは分かっていたので、動く状態で使いつつ、固定できるところまで持っていきたかった。CPUを触ると戻るという条件だけは変わらず、どこかで座りが変わっているのか、接点なのか、というところが気になっていました。

簡易水冷でも同じ

10月17日には、クーラーをNZXT Kraken Core 240の簡易水冷に替えています。ところが、こちらでも締めると電源が入りませんでした。

純正クーラーだけで起きる症状なら、片側のレバーで固定する方法が気になります。簡易水冷に替えても同じなので、少なくとも純正クーラーだけの問題としては片付きませんでした。クーラーが変わっても、CPUを載せ直すと戻る挙動は同じです。

このあとも、ポンプは指で止まるところまでにして、それ以上は締めない運用でした。再起動も、自分がいるときだけにしています。また電源が入らなくなったらCPUを触ることになるので、寝ている間に任せられる状態ではない。

ちなみに冷え方は、8スレッドで3分動かして61〜71℃でした。冷えは足りているのに、取り付けを最後まで進められない。温度の数字だけ見れば使えているのが、余計にややこしいんですよね。

タダでできること

10月18日の深夜になって、Claudeにちゃんと調べさせました。ここで付けた条件は「明日できるタダのものだけ。買い物・部品交換の案は出さない」です。

クーラーを替えても症状が続いていたので、ここでは手元の部品で何を確かめられるかを出してもらっています。電源や基板を交換する方向へ進む前に、締めたときと載せ直したときで何が変わるのかを調べたかった。

調べたのはAM4のピン配置です。非公式の図ではありますが、電源を入れる手続きに関わる信号ピンは1本ずつで、ある角に固まっていると分かりました。電源ボタンやスリープの合図などに関わるものです。

一方、電源やグラウンドのピンは何十〜何百本も並列になっていて、1〜2本切れたからといって電源自体が入らなくなるものではない、という見立てでした。同じピンでも役割が違うので、曲がった場所がどこかまで見る必要がある。

そこで仮説を11個並べて、症状と照らして○△×で採点しています。最初の本命は、電源を入れる手続きに使うピンの接点が外れること。次点が、曲がったピンが隣とショートして、電源の保護で止まることでした。

採点

照らした症状は6つです。締めなければつく、一度締めると外してもつかない、CPUを載せ直すと戻る、ファンも回らない、クーラーの種類に関係ない、10月12日以降に始まった、という条件でした。

単に「電源が入らない」で調べるより、クーラーを外しても戻らないところまで含めると、候補を比べやすい。締める前後だけで説明できても、そのあとCPUを載せ直すまで戻らない点が残るなら、まだ説明が足りません。

仮説は11個ありましたが、主なものだけ書いておきます。

本命にしたのは「電源の手続きのピンの接点外れ」で、締めないとつく・外しても戻らない・載せ直すと戻る、の3つとも○でした。次点の「曲がったピンが隣とショート」も3つとも○です。結局、この2つはどちらも外れでした。

「ピンの根元の割れ」は、外しても戻らない点が×で低め。「基板のたわみ・バックプレート・ネジ」は、外しても戻らない点と載せ直すと戻る点がどちらも×で、夜のうちに外れとしています。当たりだったのは、昼に足した「右下の角のつっかえ」でした。

翌日やる順番も決めました。まず失敗する瞬間を観察して、直したピンの場所を写真で特定し、配置図と照らす。そのあとクーラーを付けずに親指で押してみる、1隅だけ締める、ソケットの穴を見る、ピンが真っ直ぐか透かす、という順です。

これは調べた時点での予定で、全部やって原因を消していった、という記録ではありません。接点復活剤や洗浄液を使う、息を吹く、何度もピンを曲げ直すことは、やらない方に入れています。

右下の抵抗感

10月18日の昼、追加で気づいたことを伝えました。CPUをソケットに置くとき、右下に抵抗感がある。

曲げて直した角と、入れるときに引っかかる角が同じだったんですよね。これを伝えると、Claudeはピン配置の読み方を見直しました。右下は図だとメモリのピンの角で、そこの接点が切れるだけでは、電源自体が入らない説明にならない、と。

深夜の本命だった「電源の手続きのピンの接点外れ」は、直した場所とそのまま結び付くものではなかった。図を調べたところで、私のCPUがどう座っているかまで分かるわけでもありません。

ここで加わったのが、右下の直し損ねたピンが穴の縁に乗り、CPUが浮いている、という仮説です。そのままクーラーを締めるとCPUが沈んで傾き、反対の角の弱い接点が外れるのではないか、というもの。

締めたことで接触が変わるなら、CPUに触るまで戻らない症状ともつながります。ただ、この段階で反対側の接点が外れるところを見たわけではありません。まず確かめる相手は、置くときに手で感じている右下のつっかえでした。

AIに仮説を並べてもらったあとで、私が「入れるとき引っかかる」と言っているのも何ですが、触っている本人にしか渡せない情報がここに残っていました。

置く順番

10月18日の夕方、CPUをソケットに置く順番を変えました。これまで引っかかっていた角を先に入れて、それ以外を押し込んでいます。

すると、クーラーを締めても起動しました!ずっと固定するとだめだったものが、固定した状態で動いている。そのあと計画的に電源を落として入れ直しても、締めたまま起動しました。19時55分には解決と判断しています。

原因は、右下の角がつっかえ、CPUが浮いたままソケットのレバーを閉じていたことでした。ピンや接点が壊れていたという見立ては外れていて、座り方の問題だった。深夜に最初の本命にしたものより、昼に伝えた抵抗感の方が、最後は原因に近かったわけです。

なお、私がこのとき押し込んだのを、そのまま手順にはしないでください。AM4のCPUは、力をかけずにソケットへ落ちるのが正常です。押さないと入らない時点で、どこかのピンがまだ少し傾いている合図だった。

次に載せるなら、レバーを真上まで上げ、つっかえる角を先に合わせて、反対側はそっと下ろす。押す必要があったら止めて、横から透かして見ます。レバーを閉じられたので座っているつもりでしたが、今回の私は浮いたまま閉じていました。

Claudeに調べてもらって、仮説を並べて比べるところは助かりました。ただ、最初の本命は外れています。手元の抵抗感を伝えてから仮説が変わったので、こちらが何を省略して渡しているかでも、調べた結果の使い方は変わるんだなと思います。

温度も下がった

起動後のCPU温度は41.4℃でした。隣では3090が349Wで動いている状態です。前日のアイドル時は44〜46℃だったので、3〜5℃低くなっています。

グリスを塗り直す必要もなく、そのままで冷えていました。カーネルのログにも機械のエラーは0件。締めたまま電源を入れ直せたことと合わせて、やっと固定して使えるところまで戻っています。

ただし、押し込んだ側の角のピンは、まだ少し曲がっている可能性があります。起動したから全部が真っ直ぐになった、とは確認できていません。用がなければ、もうCPUは外さないつもりです。

今回の始まりを避けるなら、クーラーを外す前に数分動かして温めてから、ねじって外す。あのスッポン抜けがなければ、ここまでハマることもなかったはずです。

1週間かかって、やっと締められた。もうこのまま使います。

この記事は、2026年10月に note に書いたものをこちらへ移しました。

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